ドイツとの国境に位置していて、戦争のたびにフランス領やドイツ領になった特殊な土地です。そのような歴史的背景から、アルザス人しか分らないアルザス語があり、現在でもさまざまな面で、とくに食と住いに関しては、ドイツ色が色濃く残っています。 また、アルザスはフランス国内でも美食の地として知られ、ミシュランの星付きレストランの数がいちばん多く存在します。この地の人たちは、ジビエなどの肉でも白ワインで食べる習慣があり、その代表がフォアグラ料理との相性で、実に妙味です。 さて、アルザスは生産される量のほとんどが白ワインで、赤ワインは 10%にも満たない量です。特徴はぶどう品種がそのままワイン名になったり、表示されていることが多く、ぶどうの個性を知ると分りやすく選び易く、日本人の味覚にとてもマッチするタイプのものが多くあります。ぜひお試しください

シチリア島は、イタリア半島の西南端、地中海最大の島です。島と言っても面積は、四国の約 1.4 倍。典型的な地中海性気候で、穀物をはじめとする農作物の生産地として知られ、なかでもオリーブとワイン生産量は国内でもトップクラスです。 近年、ワインの品質の向上は目覚ましく、イタリア国内で最も注目されている産地といっても過言ではありません。従来、シチリアワインのイメージは、パワフルで筋肉質な「近代的」なスタイルが一般的でしたが、イメージをいい意味で裏切る素晴らしいフィネスを持ったワインが産み出され、我々にも紹介されるようになりました。 そのエリアは、島東部のヨーロッパ最大の活火山エトナ山麓に広がる畑で、50 万年以上に渡る噴火活動の結果、多様で特殊な土壌で、ブルゴーニュ地方によく似た畑の特徴が顕著で、フィロキセラに侵されていない非常に樹齢の高いぶどうの木が多く残っています。 自然な果実味、洗練された上品な味わいのシチリアワインに出会える事にご期待下さい。

<鬼田のおすすめ>
エトナ・ロッソ。
ラズベリーのフルーティな印象と濃い味わい、心地よい余韻

ボルドー地 方近 郊で、ガロンヌ川上流域からピレネー山脈北麓にかけてのワイン産地であるシュド・ウエスト。知名度の高いボルドーの影に隠れて、フランスで 最もマイナーで、知る人ぞ知る産地です。 造られるワインのほとんどがテーブルワインの規格ですが、1980年代頃から、次第にAOC規格の上質なワインが造られるようになりました。その代表的なワインは、黒いワインと称されるカオール、土着品種で造られるマディラン、そしてジュランソン、ガイヤックなどいくつかの地域に分かれており、気候風土、ぶどう品種が多彩で、白、赤、ロゼ、貴腐ワインと造られ、個性的でありながらコストパフォーマンスの高いワインが数多く産出されています。 フランスで造られるブランデーの双璧アルマニャックもこの地方で造られています。また、フォアグラやトリュフなど高級食材の産地であります。

<鬼田のおすすめ>
マ デ ィ ラ ン(シャトー・ブスカッセ)この地
特有の品種と国際品種のブレンド、複雑で濃縮感のある味わい。

数年前まで、何かのお祝い事か、クリスマス、大切な人と祝杯を挙げるのに泡の出るワインを買求めていましたが、現在は日常的に泡の出るワインは飲まれています。 シャンペン、シャンパンは、シャンパーニュから派生した造語だと考えられます。そもそもシャンパーニュ(6 気圧以上)とは、フランスのシャンパーニュ地方で、その製法に沿って造られたものが、その名を名乗れるのです。フランス国内では、産地や製法、ガス圧によって呼び名が変わってきます。ペティヤン(2気圧程度)、クレマン(3 ~ 3.5 気圧程度)、ヴァン・ム スー(5 ~ 6 気圧程度)。 また、生産される国によっても呼名は様々で、ドイツはゼクト。スペインはカヴァ。イタリアはスプマンテ。今年の師走は、泡の出るワインを用途によって使い分け、ちょっとお洒落を演出しませんか。

<鬼田のオススメ>
ジョゼ・ミッシェル・ブリュット・トラディション
生産者:ジョゼ・ミッシェル/生産地:フランス、シャンパーニュ地方/黒ぶどうの割合が高く、しっかりとした味わいで、様々な料理との相性も良くコストパフォーマンスに優れています スパークリングワイン、シャンペン、シャンパン、シャンパーニュ……。どれも正解ですが、少し掘り下げて解説いたします。私たちは、泡の出るワインを称してスパークリングワインと呼んでいます。

観光、ファッションの中心地 トリノやミラノがあるエリアといえば、ピンとくる方も多いのではないのでしょうか。北イタリアのワイン産地は、ピエモンテ州、ロンバルデイア州、ヴェネト州など代表に、スター的存在のワインを多く造り出しています。 イタリアは、独自のぶどう品種が何百もあるといわれていますが、このエリアに限っては、フランス、オーストリア、スロベニアなどと地続きのため、その国の文化や、作付けされているぶどう品種や、ワインのスタイルも何らかの影響を受けているといって過言ではありません。 また 20 年ほど前に起きたイタリアワイン・ルネッサンス。そのなかで代表的な流れは、ピエモンテ州を舞台に「バローロ」を造る生産者が、ワイン法や伝統に縛られないでワイン造りを行ない、フランス流ともイタリア流ともいえない独自のスタイルを築き、世界中から高い評価を得ました。そして、その流儀は大きな波となってイタリア全土に広がりました。